EU

ドイツ化学業界の景況感が改善

ドイツ政府の電力パッケージに期待

IFO(独)の調査によると、2024年10月、ドイツの化学産業の「景況感指数(business climate index)」に改善が見られた。9月の-13.0ポイントから-3.1ポイントに上昇した。この改善は、「6か月後の景況感(business expectations)」が大幅に上昇したことに起因する。同指数は10月、-15.9ポイントから+4.7ポイントに上昇した。「現時点の景況感(current business situation)」は-10.1ポイント*から-10.6ポイントとほぼ横ばいであった。「化学業界の企業は、ドイツ政府の電力料金パッケージに期待を寄せている」(Anna Wolf)。

電力料金パッケージは、企業の負担を軽減し、他国と比較してドイツの化学産業の競争力を強化することを目的としている。その内容は、EEGサーチャージの廃止、2030年までの電力料金補償の拡大、送電網料金の引き下げなどである。これらの政策措置は、化学業界では前向きに受け止められている。10月、化学企業の自身の競争力に対する評価は7月よりも肯定的であった。

景気低迷が続く製造業

しかし、この景況感の高まりは製造業の景気低迷によって抑制されている。10月の化学製品需要は引き続き低迷した。受注残は再び減少し、稼働率は2009年以来の低水準に落ち込んだ。企業の収益査定は厳しさを増した。このような背景から、資金調達のボトルネックが増大し投資意欲がさらに阻害されている。「経済危機の間、ドイツ国内の生産能力を維持するために、化学企業の負担を軽減するのは正しいことと言える」(Anna Wolf)。

参考URL
https://www.ifo.de/en/facts/2024-11-05/business-climate-german-chemical-industry-improves

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